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〜学校に行きたい!〜
 74歳の高校生 竹本登久子さんの挑戦  2007年9月21日

9月20日(木)夜、テレビをつけた途端に「私はまだ18歳なんです」という言葉が私の耳に飛び込んできました。

私はこの春大学に社会人入学をし、この言葉を何度も自分で言っていたので、テレビを見ようと思ってつけたわけではないのにそのままこの番組を見てしまいました。

竹本さんは生まれたときから視力が弱く、だんだん目が不自由になってくる中、6歳のときに医者から「このまま良くなることはない」と言われてしまったそうです。お母様が将来を案じて芸を身に付けさせようとなさり、琴の演奏を習得されました。けれども、琴の師匠として活躍される中、30歳で完全に失明してしまいました。

 その後、お弟子さんの知り合いの方に相談して高校進学を決め、72歳で盲学校に合格!現在寮生活をする高校3年生で、4人の18歳のクラスメートと勉強をしていらっしゃいます。

 しかしながら、完全失明後もお弟子さんたちに支えられて、いつも情報は耳から入り、歩くときには介助があった竹本さんにとって、その高校生活は他の学生より多くの困難が伴いました。

点字の解読、特に数式や音符、楽譜の理解が大変なことのようです。クラスメートたちは、点字に慣れているけれど、竹本さんは、点字の勉強からスタートしたのです。番組では、数学の授業中に先生のお話を教科書で確認することに時間がかかり、「なかなかできずに、気持ちばかりあせって・・イライラしてしまって・・」と、顔に手を当てて泣いていらっしゃる場面があって、私はもらい泣きしてしまいました。

 いままで一人で歩いたことの無い竹本さんが、白い杖(何か特別な名称がありましたが、わからなくなってしまったので、申し訳ありません・・)で外を歩く訓練を受けていらっしゃる光景も映し出されました。その背筋はすっと伸びていて、歩く姿がきれいです。寮から学校までの短い距離も、廊下や階段を通って音楽室を探すことも、竹本さんにとってはとても大変なことなのに!。

けれども、「一人で歩くのは本当にとても怖かったけれど、もう歩きたくないとは一度も思いませんでした。『ひとりで歩きたい』と思っていたので歩けるようになって嬉しい!」と竹本さん。

 「琴の師匠という安定した生活を捨てたのは、何故ですか?」という質問に対しては、「何か足りない。何かし忘れていることがある。そういう思いが募ってふりかえると、『学校に通いたい』と、60年間憧れていました」とおっしゃいました。また、「終戦後、全く離れていた勉強をするというのは大変なことです。60年ですから」と、穏やかににこやかに話されます。

 同級生が就職などの進路を検討する中、竹本さんは音楽大学に進学したいと思うようになったそうです。もっと勉強して、音楽の道を極めていきたいとのこと。番組の最後でも「私は歳をとっていると思わないです。まだ18歳なんですもの」ともう一度おっしゃいました。

 私も、「その歳になって大学に入学して・・大変でしょう?」と、何度も言われましたが、私も「学生生活をするには歳をとりすぎてしまった」と感じたことがまだありません。長い間の願いをかなえることのできる状態になり、嬉しくてならないのです。

 「学校に行きたい!」という気持ちは、自然な物だと私は思います。学生でありながら、学校に行くより早く働きたいと切望する人が、「社会に出たい!」と思うのと同じで、これらはどちらも未知への挑戦心や成長(向上)したい欲望の現われなのではないかしら?と私は思います。
 それにしても、飢餓感が強いほど、願望は強くなりますね。障害が大きいほど葛藤もあり、望みが叶ったときには嬉しくて、艱難に立ち向かう勇気も生まれてくるように思います。
 『不登校』という言葉があまり聞かれなくなるほど、もう新しい社会現象ではなく、当たり前の現象になってしまっているようです。けれども私は、竹本さんと同じように、大学を卒業できたら、大学院生として勉強を続けたいな〜と憧れています。

 私も10月から大学の後期が始まります。「学校に行きたい!」「また大学に通える〜!」と思わないとなりません。「大学に行ける事」が当たり前になって「ありがたい!」という気持ちが薄れると、日常生活でのマイナス面を嘆いてしまう危険性があるからです。

 仕事も、欲しい時には「仕事がある!」「仕事にいける!」と思うと嬉しいですよね。
前期期間の生活の反省を踏まえて、仕事にはもう少し力を注ぎ、通学や趣味、休息の時間も充実させようと思っています。







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